- Jacob Blakeさんが警察から7発の銃弾を受ける
- 過激デモ ケノーシャ
- Kyle Rittenhouseさん17歳 ライフル銃で2人を殺害1人を重傷させる
- NBA ミルウォーキー・バックス試合をボイコット
- なぜ、こうなってしまったのか
Jacob Blakeさんが警察から7発の銃弾を受ける
全ての発端は、8月23日(日曜日、現地時間)アメリカのウィスコンシン州ケノーシャ(都市)で起きた警察による殺傷武器の乱用疑いから始まりました。
8月23日の夕方5時ごろ、警察は道路で揉めている人がいる通報を受けて現場に駆けつけた所に、ジェイコブ・ブレイク(Jacob Blake)さんが居合わせました。
警察が駆けつけた所から、離れようと自分の車の運転席に歩き始めたジェイコブさん。
止めようとする警察のいう事を聞かなかった為なのか?
不審だと、警察官が感じたのかは定かではありませんが、車の運転席の扉を開けて乗り込もうとしたジェイコブさんの背中から警察官は7発の銃弾を発砲しました。
(実際の事件を向かいのベランダから撮影された映像↓↓↓)
Wow. This Black man was shot several times in the back by @KenoshaPolice today. He was getting into his car after apparently breaking up a fight between two women. He’s in critical condition now. We demand JUSTICE! #BlackLivesMatter pic.twitter.com/I1reDEp4nw
— Ben Crump (@AttorneyCrump) August 24, 2020
ジェイコブさんの事件を担当する弁護士の1人が動画を入手してTwitter上に挙げられていました。
弁護士の話によれば、事件当日ジェイコブさんは事件現場で女性2人の口論を止めようとしていただけだったようです。
ジェイコブさんの車には、後部座席に3歳、5歳と8歳の子供も乗っていました。特に抵抗もしていなかった父親が目の前で7発も打たれる光景を小さな子供が近距離で目の当たりにしているのを考えると心が傷まれます。
当時、ジェイコブさんの車にはナイフがあったものの他に武器になるようなものはなく、無抵抗で後ろ向きの男性に向かって発砲した警察官は裁判で起訴されることになっています。
29歳で3人お子さんを持つジェイコブさんは奇跡的に一命を取り留めました。しかし、今後病床から立ち上がって歩くことは困難になると医師は家族に宣告しています。
7発の銃弾は、彼の内臓(腎臓、肝臓)や脊髄を傷つけた為に、手術を行ってから回復に迎えるように、ミルウォーキーの病院で療養している報告があがっています。
まだ事件の真相がはっきりしたわけではありません。ビデオに写っているのは、一部です。これからの警察の捜査で新しい証拠や証言が出てくる事も考えられます。ジェイコブさんが現場にいた理由や警察官が発砲に至った真相も明らかになるでしょう。
しかし、どれだけジェイコブさんが不審で、車に武器を取りに行ったように見えたとしても、未然に防ぐような攻撃もないまま、7発の銃弾を発砲するのはかなり過激的で殺害の意図も感じられます。
現場にいた3名の警察官は勾留されて、詳細の尋問が進んでいる様です。
(情報ソース:CNNニュース)
Who is Jacob Blake? Here's a profile of the man shot by police in Kenosha, Wisconsin - CNN
過激デモ ケノーシャ
事件があった日曜日の後、月曜日の夜から過激なデモ活動がケノーシャの街で行われました。火炎瓶や花火、煙幕などで攻撃するデモ隊に対して、警察もゴム銃や催涙ガスで鎮圧しようとしていました。
それでも、事態は悪化する一方です。昼は平和的なデモ行進が行われ、夜8時に以降になると暴動になる日々が水曜日まで3日間続いています。(実際の映像↓)
5月25日のジョージ・フロイドさんの事件が引き金になって、5月末から始まっている『Black Lives Matter運動』。
平和的なデモ行進や人種間での平等が訴えられ続けてきた中で、またこのような事件が起こり、市民たちは我慢の限界に達ていると言えます。
一連の過激な運動に対してトランプ大統領は、水曜日に州知事が同意して要求を出せば州兵をケノーシャに派遣して、暴動の鎮圧に参加させる事を表明しています。
治りを見せないデモ活動の中で、さらに悲劇は起きてしまいます。
Kyle Rittenhouseさん17歳 ライフル銃で2人を殺害1人を重傷させる
悲劇は、火曜日の深夜の暴動の最中で起きました。ケノーシャから少し離れたイリノイ州から『街の物(店や事業)』を守る為にFacebookの呼びかけでケノーシャに集まった17歳の少年は、所持していた重火器でデモに参加していた市民に発砲。
結果、2人が死亡1人が重傷を負っています。
(実際の事件の時の動画、過激な映像が含まれています。)
明らかに殺傷能力のある武器を携帯している17歳の少年。複数発の発砲後、市民たちは彼を止める為に追いかけて、警察に『武器を携帯して、発砲している』と主張しています。
止める為に追いかけてきた市民男性に倒された後に、近距離でさらに数発発砲して警察官たちの中に歩いて行く17歳の少年が映っています。
少年が重武装しているにも関わらず、警察官は彼を逮捕する素振りもなく水を与えたと、報道されています。
翌日、水曜日に少年は自宅付近で逮捕されて第1級殺人罪の容疑で起訴されることになっています。
なぜ、警察は当日彼を逮捕しなかったのか?
明らかに武装している市民に対して何も行動を起こさないのか?
対して、武装している確信のない、ジェイコブさんは7発も発砲されたのか?
この時間で、さらに多くの不満が市民たちの中に高まり、暴動が激化する危険性が増しています。そんな中で、果たしてトランプ大統領はどのように対応して行くのでしょう
州兵を派遣して、武力で鎮圧する事を余儀なくされているようですが、他にも選択肢があるように感じられます。
一刻も早く、事件で被害にあった人々に正義と真っ当な対応がされる事を願います。
(情報ソース:CNNニュース)
Kenosha shooting: Illinois teen arrested in fatal shooting at protest, police say - CNN
NBA ミルウォーキー・バックス試合をボイコット
火曜日の事件を受けて、プレーオフ第1ラウンドで3勝1敗とオーランド・マジックにリードしているバックスは水曜日に予定されていた、第5戦の試合をボイコットする事を表明しました。対するマジックも不戦勝ではなく、同じくボイコットする事に賛同。
その後のロケッツ対サンダーの試合も両チームがボイコットを表明。同日のレイカーズ対ブレイザーズの試合もボイコットされました。
その後のNBA全体のミーティングでは、他のチームがシーズン続行に賛成するも、レイカーズとクリッパーズが残りのシーズン全てをボイコットする事を示唆して、レブロン選手を先頭に部屋から退出したそうです。
Lakers and Clippers have voted not to continue the NBA season, per @ShamsCharania
— Bleacher Report (@BleacherReport) 2020年8月27日
Every other team voted to continue pic.twitter.com/NLiVJwWf5Y
レブロン選手は、チームのオーナーたちにもっとこの件に対して介入して、行動を起こしてもらいたいとコメントしているようです。
マイアミ・ヒートのハスレム選手は、クリッパーズとレイカーズが抜けてしまっては、プレーオフ続行に意味があるのか、と苦言を述べたそうです。
ウェストカンファレンスの2強はこのままの状況では、シーズンを行っている場合ではないと判断しています。
Sources: Every team besides Lakers and Clippers voted to continue playing. LeBron James said in meeting he want owners to be more involved/take action.
— Shams Charania (@ShamsCharania) August 27, 2020
なぜ、こうなってしまったのか
なぜ、ここまで事態が深刻になってしまったの?っと思っている方はぜひ、以前に書いた記事を読んで欲しいです!!!
日本で生活していては、わからないアメリカの昔からの歴史。
人種差別、奴隷制度があった時代から今までのあゆみ。KKKの存在。
まだまだ弱い立場で苦しんでいる人々が多くいます。
平和的なデモや抗議をもちろん望んでいます。みんな武力には頼らず、政府や周りの人々に意見を聞いてもらいたい気持ちは変わらないはずです。
破壊行為や過激な暴動はやめて欲しいと言いたい気持ちもあります。
しかし、自分の友人、中学校からの友達、家族の一員、子供の成長を一緒に見守ってきた親友、そのような存在が不当に7発の銃弾を背中から受けたと思ってください。
さらに、それが市民を守る為に働いている警察官からです。そのような事態が100年以上アメリカで続いてきています。
平和なデモでは何も変わらない、と思っている人も多いと感じてしまいます。
当事者ではない私たちには、何も言えないと感じるのは自分だけでしょうか?事態の深刻さをわかっていない人々が非難や中傷をする事は間違っていると感じます。せめて、奴隷制度から続く差別、キング牧師やマルコムXなどが、人権の為に戦ってきた歴史を理解して欲しいと心から感じます。
今、自分にできることは少しでも多くの人に本当に起こっている事態の深刻さを知ってもらう事。
このような差別、権利の濫用が身近で起こらないように弱者の気持ちに少しでも立って考えれるように努力していく事だと思っています。
1人でも被害者が少ない暴動の解決と、被害者が報われる事を願っています。