NBAチャンピオンリングを
3個持つイグダーラを獲得
マイアミ・ヒートはイースタンカンファレンスの上位にランクインし、プレーオフ進出をほとんど確実にしながらシーズンの後半戦に向かって進んでいます。
プレーオフで勝ち上がるために、チームに新たな戦力を投入したかったヒートはNBAトレードラインのギリギリである2月6日にメンフィス・グリズリーズからアンドレ・イグダーラ選手、ジェイ・クラウダー選手、ソロモン・ヒル選手を獲得しました。
イグダーラ選手は36歳のベテランですが、ゴールデンステイト・ウォリアーズでNBAプレーオフ優勝を3度経験しており、2015年にはファイナルMVPにも選ばれています。オールラウンダーで、ディフェンスが良く攻守に活躍できる事からトレード期間中最も注目されていた選手でした。イグダーラ選手を獲得出来た事でヒートは得意のディフェンスに磨きがかかりました。
ヒートはウィンズロー選手、ウェイターズ選手、ジェームズ・ジョンソン選手を放出しましたが、クラウダー選手とヒル選手の加入でお釣りがくるトレードを成功させています。プレーオフで経験の多いイグダーラ選手がバトラー選手と一緒にチームを引っ張っていける事はヒートにとってプラス要素になるでしょう。
(2015年にファイナルMVPを獲得したときのイグダーラ選手のハイライト)
Andre Iguodala 2015 Finals Champion Highlights vs Cavaliers - MVP!
ヒート vs ウォリアーズ
イグダーラ選手が加入後、古巣のウォリアーズと2月10日(現地時間)にヒートは対戦しました。試合前にはイグダーラ選手のウォリアーズへの貢献を称えて、元チームメイトであるクレイ・トンプソン選手からメッセージが送られました。観客からも大きな声援があり、イグダーラ選手が暖かく迎えられていました。
ウォリアーズはクレイ・トンプソン選手が怪我で2019−20シーズンの復帰がないとされている事と、ステフ・カリー選手のシーズン序盤での怪我で3月まで欠場が余儀なくされている事が重なり、シーズン序盤から主力を欠き厳しいシーズンになっています。
ウォリアーズもヒート同様にトレード期限の最後にウルブズからウィギンズ選手を獲得しています。スプラッシュブラザーズ(カリー選手+トンプソン選手)の来季からの復帰を考え、ウルブズから3年契約でアンドリュー・ウィギンズ選手(2014ドラフト1位)とドラフト指名権をトレードで獲得し、チーム全体で若手の育成に重きを置いていくように感じられます。
チームの雰囲気も良く、シュートが入ればベンチで観戦しているカリー選手筆頭に喜びと声援を送って若手選手がのびのびプレー出来る環境が整っている印象を受けます。
対するヒートはプレーオフで理想のシード権を獲得するためにシーズン終盤で順位を上げていきたい所でしょう。イグダーラ選手にクラウダー選手が加入した事で、ロスターに厚みができ、セカンドユニットもディフェンスが強力で監督の采配に注目が集まります。
下位チームには確実に勝利したいヒート、怖いものなしで自分たちのプレーで攻め込んでいくウォリアーズの試合はウォリアーズのホーム、チェイスセンターで行われました。
スターティング ラインナップ
マイアミ・ヒート
- ケンドリック・ナン(G)
- ダンカン・ロビンソン(G)
- ジミー・バトラー(F)
- デリック・ジョーンズ Jr.(F)
- バム・アデバヨ(C)
(注目選手 バトラー選手、ナン選手)
ゴールデンステイト・ウォリアーズ
- カイ・バウマン(G)
- デイミオン・リー(G)
- アンドリュー・ウィギンズ(F)
- ドレイモンド・グリーン(F)
- マーキーズ・クリス(C)
(注目選手 デイミオン・リー選手、パスカル選手)
試合内容+ハイライト
マイアミ・ヒート、注目のイグダーラ選手は控えで出場する展開でした。スターターはバトラー選手が中心となって組み立てるメンバーで、セカンドユニットはクラウダー選手とイグダーラ選手がメインにオフェンスを作っていました。
スターターのインサイドではアデバヨ選手、デリック選手の運動能力の高さ、アウトサイドでロビンソン選手、ナン選手のシュート力をバトラー選手が起点となり機能させ、強力なラインナップで前半はウォリアーズを圧倒していました。
ウォリアーズもインサイドでクリス選手がハッスルを見せる場面があったり、交代で出場するルーキーのパスカル選手がいい動きを見せて得点を演出していました。しかし、前半はヒートに力の差を見せつけられ62−43で折り返します。
後半に入ってからは新加入のウィギンズ選手が1on1で突破してアデバヨ選手の上からレイアップを決めた後に3Pを沈めるなど得点力の高さとポテンシャルをホームでファンにアピールしていました。
加えてこの試合では、クリス選手の活躍が目立ちました。インサイドでのリバウンドに、P&Rのスクリナーとしてチームのためにプレーしている場面が多く、味方もハッスルを見せるクリス選手にアシストパスを出す場面が多くなりアリウープで強烈なダンクをリングに叩き込むシーンが見られて爽快でした。
ウォリアーズは若手の懸命な頑張りで点差を一時4点まで縮める展開もありました。しかし、イグダーラ選手率いるヒートのセカンドユニットがディフェンスからリズムを作って簡単なプレーで確実に得点を挙げ少しずつウォリアーズは再度突き離します。
ベテラン選手が多いヒートのセカンドユニットは落ち着きがあり、点差が縮まっても焦る事なく基本のバスケットでカッティングとパスランからの得点を演出できる所が今後他のチームにとっても脅威になると感じさせられました。
試合は結果113−101でマイアミ・ヒートが勝利。ヒートは35勝18敗でイースタン4位にランク。イグダーラ選手とクラウダー選手の活躍が目立った試合内容でトレードで加入した選手がすぐにチームに溶け込めているのが見られて今後の展開が楽しみになりました。
特にイグダーラ選手はベンチでもバトラー選手とよく言葉を交わしている場面が映されていて、2人で意思疎通しながらチームを作っていく意図が見られました。ベテラン2人がチームを引っ張りプレーオフで勝ち進んでいく事が楽しみです。
Miami Heat vs Golden State Warrios Full Game Highlights | February 10, 2019-20 NBA Season
スタッツ リーダー
得点
- ジェイ・クラウダー 21
- デイミオン・リー 26
リバウンド
- バム・アデバヨ 11
- マーキーズ・クリス 9
アシスト
- ケリー・オリニク 11
- ドレイモンド・グリーン 9