ユタ・ジャズ
ウェスタンで上位の活躍
NBA2019-20シーズンが約4ヶ月経過し、シーズン終盤に突入する中、ウェスタンカンファレンス4位にランクインしているユタ・ジャズ。63戦を戦い41勝-22敗、勝率65.1%で大きく勝ち越しています。残り19戦のジャズはほとんどプレーオフ進出を確実にしています。後は順位決めでシード権争いになってきるでしょう。3位ナゲッツと1ゲーム差、5位ロケッツとは1.5ゲーム差、3位に順位をあげる事ができれば首位レイカーズと別のブロックに入り、プレーオフカンファレンス決勝まで対決を避ける事ができます。
シーズン開幕前の評価よりも高いパフォーマンスを見せているジャズは、派手なプレーではなく、堅実なディフェンスと安定したゲームメイクで勝ち星を多く挙げています。オフェンスレーティング111.3得点(リーグ16位)と中堅ですが、ディフェンス失点108.0(リーグ9位)、リバウンド45.4回(リーグ12位)と上位圏の数字を残しています。注目は3p成功率が38.5%でリーグトップ、フィールドゴール成功率は47.5%で4位です。ステフ・カリー選手やジェームズ・ハーデン選手の様なシューターがいるわけではないですが、ディフェンスをしっかり崩してからフリーでシュートを打てている場面が多く決定率がとても高くなっています。
堅実なプレースタイルで勝ち星を重ねているジャズはプレーオフでも落ち着いたプレーが出来れば順当に勝ち上がる事が予想されます。上位のレイカーズやクリッパーズにとっても戦い難い相手だと感じます。
プレーオフ前にジャズの主力メンバーと注目選手を紹介していきます。
ユタ・ジャズ 主力メンバー
Going for 5 in a row 👊#StartingLineup | #ZionsBank pic.twitter.com/cdbyVDwNF0
— Utah Jazz (@utahjazz) 2020年3月7日
ドノバン・ミッチェル No.45
185cm 97.5kg NBA3年目
スパーダーの愛称で呼ばれるユタ・ジャズ、オフェンスの要、ドノバン・ミッチェル選手。2018年スラムダンクコンテストで優勝、2019年アメリカ代表としてFIBA世界大会Chinaに出場、2020年オールスターに選抜。 2019−20シーズンも3月上旬まで62試合出場して、試合平均24.4得点でリーグ14位に位置しています。
ジャズの中で一番迫力があるプレーをする選手で身体能力が高く、アウトサイドからのドライブと強烈なダンクシュートが持ち味です。ジャズのオフェンスのファーストセレクションであり、3年目ながら勝負所ではミッチェル選手にシュートが託される事が多いです。
プレーオフでも他のチームから一番警戒される選手なだけに、ディフェンスのマークが厳しい中でどこまで得点ができるかにチームの勝敗も関わってきます。俊敏に動ける選手なだけにディフェンスでも相手の得点力が高いシューティングガードなどをシャットダウンしてくれる事にも期待がかかります。
マイク・コンリー No.10
185cm 79.4kg NBA13年目
2019−20シーズン、グリズリーズからジャズに加入したベテランのポイントガードです。非常に安定したゲームメイクが持ち味。怪我で年末から年明けにかけて離脱していた為、39試合にしか出場していませんが、スターティングメンバーに戻ってから少しずつ調子を上げている様子です。
13年目で怪我もあり、まだ本来の動きが戻っていない印象を受けますが、バスケットボールIQと経験は高いものを持っています。ポイントガードとしてのセンスも高いのでアシストでもっとチームを引っ張っていける存在だと思います。
プレーオフで経験を活かした落ち着いたプレーが出来れば、接戦でジャズを導くリーダーになるでしょう。アウトサイドで、運動力のあるミッチェル選手と静かにスペースを狙うオフェンスを見せるコンリー選手が試合を重ねてコンビネーションを高めればオフェンスバラエティが増えて更に見応えが増しそうです。
ボーヤン・ボグダノビッチ No.44
203cm 102.5kg NBA6年目
ジャズのスモールフォワードを務めるボグダノビッチ選手は、62試合を終えて3ポイントシュート41.5%、リーグ8位の高確率で決めていています。得点も20.3得点でリーグ27位にランクイン。派手なプレーはないですが、堅実なプレースタイルでチームのアウトサイドの得点を支えています。キャッチアンドリリースやパスランなど、スポットシューターとしての動きがよく、ディフェンスの意表をついたプレーで得点を多く挙げています。
ミッチェル選手や、あとで紹介するルディ・ゴベア選手にディフェンスが集まりやすい中で、外からノーマークの時にしっかりシュートを決める事ができるボグダノビッチ選手はチームにとっても貴重な存在になっています。
ディフェンスでの動きの遅さが少し気になる所で、プレーオフで上位チームの得点源とマッチアップした時にどこまで守り切れるかが問題になりそうです。
ロイス・オニール No.23
193cm 102.5kg NBA3年目
ジャズのスターターとして、ディフェンス面とファーストブレイクで起用されている印象です。まだNBA3年目で伸び代があるプレーヤーなので、経験を積んでいく中で自分のプレーができる様になっていけば成長が期待できます。
平均29分に出場して6.2得点、5.3リバウンド、2.5アシストを記録していますが、ジャズはここのパワーフォワードのポジションに物足りなさを感じます。ウェスタン上位レイカーズとクリッパーズはパワーフォワードに、アンソニー・デイビス選手、カワイ・レナード選手を有しているので、プレーオフで対戦する時、厳しいマッチアップになりそうです。
周りがカバーして、どこまで相手のフォワード陣を抑えられるかにジャズの勝利がかかっていると考えられます。
ルディ・ゴベア No.27
215.9cm 117kg NBA6年目
2017年ブロック王、2018,2019年最優秀守備選手賞を受賞しているゴベア選手は、ジャズのインサイドを鉄壁で守る要塞です。2020オールスターにも選ばれており、NBAで屈指のディフェンス力を誇るセンターとしてチームを支えています。試合平均リバウンド数13.9でリーグ3位、ブロックショット数2.0でリーグ6位を記録しており、数字を見ても高いパフォーマンスが伺えます。
ディフェンスだけではなく、オフェンスでもミッチェル選手とのP&Rがジャズの強力な武器になっています。得点力も試合平均15.3と2桁をマークしていて、豪快なダンクでチームの士気を高めている場面も多いです。
ジャズがプレーオフで勝ち上がるためには、ゴベア選手とミッチェル選手の活躍が鍵になるでしょう。強力なインサイドを誇るレイカーズやクリッパーズと対戦する上でゴベア選手のコンディションが大事になります。ゴベア選手が好調でディフェンスを引きつける事ができれば、ミッチェル選手や他のプレーヤーにももっとチャンスができます。
ベンチメンバー
ジョー・イングルズ No.2
200cm 99.8kg NBA6年目
ボグダノビッチ選手と交代で出場する事が多いイングルズ選手も、シーズンを通してアウトサイドから高い確率でシュートを決めています。スタメンとして起用される事もあり、平均30分出場して、9.7得点5.2アシストを記録しています。アシストはリーグ29位で、広い視野からシュートにつながるパスを多く決めています。
身長も200cmあるので、ディフェンスでインサイドを頑張って守れればチームの勝利にもっと貢献していけると感じます。
ジョーダン・クラークソン No.00
193cm 88kg NBA6年目
シーズン中にクリーブランド・キャバリアーズからトレードで獲得したクラークソン選手はベンチから出場して試合平均15.2得点を記録して、ジャズのセカンドユニットの得点源になっています。
イングルズ選手とクラークソン選手が、コートにいる時もアウトサイドから効果的なオフェンスを展開出来ているジャズにとって、シーズン前半で踏み切ったトレードは成功だと言えます。まだ6年目で成長も期待できるクラークソン選手は、オフェンス力が高いだけにプレーオフで爆発する事も期待されます。
スパーダー・ミッチェル選手キャリアハイ46得点ハイライト
1月17日のペリカンズ戦でキャリアハイ46得点を叩き出したミッチェル選手。いつもはドライブからの強力なダンクが持ち味ですが、ペリカンズ戦ではアウトサイドシュートが良く決まっていました。アウトサイドが高い確率で決まれば、ディフェンスも間合いを空けて守る事が出来なくなり、ミッチェル選手のキレのあるドライブが更に止められなくなります。
プレーオフでは、ミッチェル選手の爆発力がチームの勝敗を左右しそうです。
(ハイライトー巧みなステップと爆発力のあるドライブに注目)
Donovan Mitchell matches career-high 46 in Jazz vs. Pelicans | 2019-20 NBA Highlights