八村選手20得点、6リバウンド
八村選手は2月26日(現地時間)に行われたブルックリン・ネッツ戦で17得点を挙げて以降、4試合連続で15得点以上となる20得点を3月3日(現地時間)のキングス戦で記録しました。リバウンドも6個奪い、チームの主力として与えられた時間でしっかり結果を残しています。
ウィザーズは3月2日のウォリアーズ戦に勝った事で勢いに乗って連勝が欲しかったキングス戦でしたが、接戦の末に負けてしまいました。第3クォーターに大差を追いついたウィザーズが勝ち取る様に思われた試合は、終盤にキングスのアウトサイドシュートが猛威を振るい試合を決定づけました。
非常に惜しい試合を落としてしまったウィサーズですが、チームとして立て直して次のトレイルブレイザーズ戦に前向きに向かってほしいと応援しています。
ワシントン・ウィザーズ vs サクラメント ・キングス
キングスはポイントガード、ディアロン・フィックス選手を中心にしたロスターで、2020年オールスター、3Pコンテストで優勝したバディ・ヒールド選手、セルビア代表ボグダン・ボグダノビッチ選手、ウォリアーズで優勝を経験したハリソン・バーンズ選手などアウトサイドで動けてシュートが入るメンバーが集まっているチームです。ウェスタン9-12位でプレーオフ進出のために8位グリズリーズの座を狙っているキングスもシーズン終盤で勝ち星を必死に狙っていました。
ウィザーズもプレーオフ進出のために勝利が欲しい一戦で、強力なキングスのアウトサイドの攻撃にどこまで対応できるかが課題になりました。
バーンズ選手とビール選手のマッチアップも見応えのある攻防になると予想されました。インサイドに目立った選手がいないキングスに対して、八村選手のオフェンスにも注目が集まりました。
スターティング ラインナップ
ワシントン・ウィザーズ
- シャバズ・ネイピアー(G)
- ブラッドリー・ビール(G)
- イザック・ボンガ(F)
- 八村 塁(F)
- トーマス・ブライアント(C)
(ウィザーズ注目選手・八村選手×ビール選手)
サクラメント・キングス
- ディアロン・フォックス(G)
- ボグダン・ボグダノビッチ(G)
- ハリソン・バーンズ(F)
- ネマニャ・ビエリツァ(F)
- ハリー・ジャイルズ3世(C)
(キングス注目選手。3年目シューター、バディ・ヒールド選手)
試合内容+ハイライト
序盤はキングスのアウトサイドシュートが火を噴いていました。ボグダノビッチ選手とヒールド選手が高確率で3ポイントシュートを成功させていて、ウィザーズを苦しめました。
ウィザーズもビール選手を中心に、ブライアント選手がインサイドで、ネイピアー選手がアウトサイドで得点をしていました。セカンドユニットでイシュ選手やトロイ選手も運動量で得点をしていましたが、ディフェンスでうまく相手を止める事ができずキングスにじわじわと得点差を離されます。
ディフェンスが悪く、解説には”Ugliest first half of season"(今シーズンで最も醜い前半)とコメントされるほどウィザーズは問題が多い前半でした。49−76でキングスに27点リードされて前半を終えます。シーズン開幕時から問題視されていたディフェンスの脆さが出てしまった印象です。アウトサイドの寄せが遅く、インサイドへのドライブに対してはヘルプのタイミングが悪く、キングスにディフェンスを完全に崩されていました。
ウィザーズの反撃は第3クォーターから始まります。前半とは違いディフェンスでスティールやターンオーバーの誘導が多く見られ、キングスのリズムを崩していました。高い位置からボールマンにプレッシャーをかけていた事が功を奏した印象でした。オフェンスでは、ベルターンス選手やネイピアー選手の3Pもよく決まって、第3Q残り1分を切り95−95で同点に追いつきます。
キングスはヘッドコーチ、ルーク・ウォルトンがテクニカルファールを2回吹かれて第3Qの途中で退場を受けたこともいたかったでしょう。フォックス選手とヒールド選手中心に攻めていましたが、ウィザーズのディフェンスが良くなった事でうまくオフェンスを組み立てられていませんでした。
勢いがあったウィサーズですが、同点で始まった最終クォーターはキングスが先行して始まりました。ウィザーズが追いかける展開で、ベンチからビール選手と八村選手が交代で出場後、巻き返しを見せていました。しかし、クォーター中盤でキングスのアウトサイドシュートがリズムに乗り得点差を少しずつ広げられます。
最後の2分で4点差まで再度追い上げたウィザーズでしたが、後一歩足りずキングスに逃げ切られました。126−133でウィザーズが接戦を落としました。
ウィザーズはビール選手35得点、八村選手が20得点、チームで6人が二桁得点とオフェンスは内容の良かった試合でした。しかし、キングスのアウトサイド、フォックス選手に31得点、ボグダノビッチ選手に21得点、ヒールド選手に17得点を奪われています。
ディフェンスでキングスを最後まで追い詰められなかったことが敗因と考えられます。第3Qのディフェンスが最後も出来ていれば逆転勝利もあったでしょう。悔しい敗戦になりましたが、次節につなげてもらいたいと思います。
(ウィザーズ対キングス フルハイライト)
Washington Wizards vs Sacramento Kings Full Game Highlights 03.03.2020 NBA Season
スタッツ リーダー
得点
- ブラッドリー・ビール 35
- ディアロン・フォックス 31
リバウンド
- ダービス・デルターンス 7
- ネマニャ・ビエリツァ 7
アシスト
- ブラッドリー・ビール 8
- バディ・ヒールド 4
八村選手1年目60試合を終えて
3月4日キングス戦を終えてウィザーズはシーズン60試合を戦い抜きました。八村選手は合計37試合に出場。12月末から2月にかけての怪我で23試合欠場した分以外は全ての試合に先発出場しています。
- 出場時間:29.4分
- 得点:14.1
- リバウンド:6.0(OFF=1.5, DEF=4.5)
- ブロック:0.1
- スティール:0.8
- アシスト:1.6
- FG%:49.4%
- 3p%:29.0%
- FT%:82.8%
得点とリバウンドは2019年にNBA入りしたルーキー達の中でも上位にランクし、新人王候補として取り上げられる活躍を見せています。チームの主力なだけではなく、ライジングスターズ(ルーキーオールスター)にも選ばれてリーグでも屈指のルーキーとして認められています。
シュート成功率を見ると、フィールドゴール成功率は50%近くあり非常に高いですが、3P成功率が30%以下なのが気になるポイントです。後はインサイドプレーヤーとしてブロックショットが伸びれば、ディフェンスが問題に挙げられるチームの勝利にもっと貢献できるでしょう。
82試合あるNBAレギュラーシーズンも残す所22試合になりました。プレーオフ進出の可能性もまだ残っているウィザーズは今後も厳しい試合が続きます。プレーオフに進出する事ができれば、チームと八村選手にとって大きな経験になるでしょう。
たが、プレーオフ進出にかかわらず、ここまで十分以上の活躍を見せている八村選手には怪我なくシーズンを終えてもらい、次の年につなげてほしいと思います。2020−21シーズンからはワシントン・ウィザーズの大黒柱であるジョン・ウォール選手も復帰予定です。ウィザーズに大きな戦力が戻ってきます。八村選手にとってもリーグの大先輩で、NBAトップクラスのポイントガードと一緒にプレーできることになり、更なる成長のきっかけになるでしょう。
まだシーズンは終わっていませんが、八村選手の活躍を見ているとすでに次のシーズンが楽しみです。