ヒートvsサンダー
1月18日にOKC(オクラホマシティー・サンダー)のホームで行われたマイアミ・ヒート対OKC戦。ドラフト外からヒートに入団し2019−20シーズンの新人王候補に挙げられる活躍を見せているケンドリック・ナン選手と、OKCに加入後調子を上げている21歳シェイ・ギルジアス・アレクサンダー選手のマッチアップが注目を集めました。
ケンドリック・ナン選手は11・12月のイースタン優秀新人賞に2ヶ月連続で選ばれています。試合平均16得点、3.5アシストを記録しており、開幕からずっとスターターとしてヒートで全試合に出場しています。
シェイ選手はクリパーズからOKCに2019オフにトレードで移籍後、スターターとして出場する機会が増え若手選手の中で徐々に頭角を表しています。1月14日のウルブズ戦では、20得点、20リバウンド、10アシストのトリプルダブルを達成、最年少20リバウンド以上のトリプルダブル記録を更新しました。
イースタン2位のヒートとウェスタン7位OKCの試合は今回がシーズン初対決になります。若手が多く高いアウトサイドシュート精度とディフェンスの良く、上位にランクインしているヒート相手にOKCがホームアドバンテージを生かしてどこまで善戦できるかが課題になりました。
スターティング メンバー
マイアミ・ヒート
- ケンドリック・ナン(G)
- ダンカン・ロビンソン(G)
- ジミー・バトラー(F)
- バム・アデバヨ(F)
- メイヤーズ・レナード(C)
オクラホマシティー・サンダー
試合内容+ハイライト
試合序盤はOKCの怪我から復帰したノエル選手が攻守の両面で効果的な働きを見せていました。リーグトップクラスのPGクリス・ポール選手がボールをコントロールするOKCはインサイドのノエル選手が復帰した事でオフェンスの幅が広がっていました。
ヒートはOKCに対してゾーンを中心としたディフェンスでインサイドを固めて守っていました。オフェンス面では、やはりアウトサイドのシュートが高確率で決まるのでOKCはヘルプディフェンスに寄る事が難しく守りずらそうでした。第1Qで40得点したヒートは第2QもOKCの反撃を交わし61−47とリードして後半に入ります。
後半もゾーンで守るヒートに対してOKCはパスとアウトサイドのシュートで追い上げを図ります。セオリー通り、ハイポストの繋ぎと早い転換のパスでゾーンを崩そうとするOKCでしたが前半はアウトサイドのシュートが入っていませんでした。第3Qはガリナーリ選手の3Pが連続で決まるなど10点差まで点差を縮めるシーンもありました。しかし、勝負強いヒートはナン選手とバトラー選手が要所で得点を挙げ、再びOKCを突き放します。
点差は14点のまま最終クォーターに突入します。最終クォーターでもヒートはナン選手とバトラー選手を中心にオフェンスを組み立て、インサイドではアデバヨ選手、アウトサイドはダンカン選手とベテランのドラギッチ選手が得点をあげていました。
OKCも司令塔クリス・ポール選手が起点となりアウトサイドからの得点で巻き返しを見せていました。注目されたシェイ選手もand1(バスケットカウント)を決めるなど終盤に得点を伸ばし合計18得点の活躍。セカンドチームのPGシュルーダー選手もよく動き持ち前のスピードでヒートのゾーンディフェンスをドライブで崩していました。
残り2分を切り、ポール選手の3PなどでOKCが7点差までヒートを追い詰めましたが、最後はバトラー選手がゴール付近で得点をあげそれ以上の追撃を許さず115−108でマイアミが勝利しました。
(ハイライト)
Miami Heat vs Oklahoma City Thunder - Full Game Highlights (January 17, 2020) | 2019-20 NBA Season
リーディング スタッツ
得点
リバウンド
- ジミー・バトラー 10
- デニス・シュルーダー 7
アシスト
- ジミー・バトラー 7
- シェイ・ギルジャスアレクサンダー 8
まとめ
ヒートはシーズンの半分41試合を戦い29勝12敗、勝率7割でイースタン2位になっています。1位バックスとは7ゲーム差が開いている為、首位の座を奪うことはかなり難しいでしょう。だが、OP(プレーオフ)進出をほとんど確実にしているヒートは今後OPで良いシードを獲得するために2位の座をキープする事が大切になります。
ナン選手は初のドラフト外からの新人王獲得に向かって調子をあげています。この試合でも22得点2アシストをマークしFG52.9%と高い確率で3Pも3/5で決めていました。ヒートの中でもオフェンスの中心として起用され、イースタン2位のチームの主力として活躍していることから新人王の有力候補になります。
現在新人王の最有力候補はメンフィス・グリズリーズのジャ・モラント選手になります。ナン選手とモラント選手の一騎打ちになると予想されている新人王争い。シーズン序盤はモラント選手がスタッツとタレント性でリードしていましたが、チームの勝率が悪くイースタンで上位にランクインしているヒートのスタメンであるナン選手と互角の戦いでした。しかし、2020年に入ってからはモラント選手の勝負強さ、チームメイトとの連携が上がりグリズリーズは順位を8位、OP進出圏内まで昇格させています。チームを勝利に導いている立役者がモラント選手である事も評価を上げるポイントであり、新人王の最有力候補はモラント選手といえます。
ナン選手もルーキーの中ではトップクラスの得点力を見せていますが、今後はガードのポジションとしてアシスト数を伸ばすことが大事になるでしょう。加えてヒートは2019−20シーズンディフェンスが高い評価を得ているチームなので、スティール数も伸びればナン選手が新人を獲得する可能性も見えてきます。