ロサンゼルス ファミリードラマ 『The O.C.』
前回ドラマで英会話の上達方法Part 1では、スパイドラマ『Chuck』を紹介しました。加えてリスニングを高めるために、注意するポイントと、英語で日記を書く事で日常会話のカンニングノートを作っておくことをお勧めしました。
今回は、ロサンゼルスの高校生たちの青春を題材にしたドラマ『The O.C.』を紹介すると共に、動詞の使い方で英語が流暢に話せる様になるポイントをお伝えします。
The O.C.を最初に見たのは高校の時で、自分にとってロサンゼルス留学を夢見る要因になったドラマです。
ストーリーは、郊外に住む主人公ライアンがカリフォルニアでトップクラスの裕福達が住むな街 O.C.に移り住む所から始まります。
ライアンの母親はお酒とドラックに依存して、とても子供を養育できない状態のため、弁護士を務めるサンディー・コーウェンがライアンの後見人(保護者)としてライアンを引き取ります。裕福な環境とは程遠いチノで育ったライアンは O.C.で新しい家族と環境の中、高校生としての青春と苦悩に悩み、戦います。
高校生達のストーリーが中心ですが、彼らの家族や周辺の人々がスポットアップされる事も多く、日常生活で起こるさまざまやトラブルに注目したヒューマンドラマになっています。
カリフォルニアの気候の良さや、人々の暖かさなど実際の街が描写されています。リッチな家庭の話なので、少し現実離れしている感覚も受けますが、実際にハイクラスの人々の生活を反映させて撮っているのだと見ていて感じます。
会話も人気ドラマ、ゴシップガールに比べて日常的に使うフレーズが多く、聞き取り易いドラマになっています。前回紹介したフレーズと聞き取れる単語に集中して見れば、間違いなくリスニング力の向上につながります。
英語が流暢に話せる様になるコツ 動詞のチョイス
今回は、ドラマを見ながら注目して頂きたいポイントに、動詞のチョイスをあげたいと思います。
英会話で重要になってくるのは、1.相手の会話を聞いて理解する 2.自分の考えを話す 3.会話を続けるためのスピード感 4.スラングや時事問題に対応できるボキャブラリー 5.専門的な用語を扱える様になる。
1〜5までを段階的に練習していく必要があります。前回のPart 1では、リスニング力をあげる事と、レベル2の為に日記を書いて準備をしておく事が近道になると説明しました。
Part 2では、自分の考えをうまく伝えるために動詞のチョイスについて話していきます。
まずは、簡単な自己紹介を例に進めていきます。
I'm from Osaka, Japan
(私は日本の大阪出身です)
I like to play basketball and listen music.
(私は音楽を聴く事とバスケットボールが好きです)
Also, I often go out to eat and drink with my frind during weekend
(週末は、友達と外食したり飲みにいくことも多いです)
I like Japanese food very much
(私は、日本食がとても好きです)
I like to drink on my day off too
(休日にお酒を飲むことも好きです)
上記の自己紹介を見てどう感じでしょう?
内容は、悪くないと思いますが、likeが多くて強弱に欠け、ポイントが絞り辛く感じませんか?ネイティブの方が聞いたら、あなたの趣味などは理解してもらえますが、どこで話を広げて良いのか戸惑ってしまいます。
そこで、考えたいのが動詞の強弱です。『好き』という表現は、likeだけではありません。love, prefer, interested in などの動詞も使えます。表現を変えれば、cant live with out...(...なしでは生きられない)、crazy about...(...に夢中だ)。色々な動詞を使うことで、会話が短調にならずに強調して伝えたい用件を相手に届ける事ができます。
これを踏まえて上記の自己紹介を書き直してみましょう。
I'm from Osaka, Japan
(私は日本の大阪出身です)
I love to paly basketball. I'm interested in music too.
(私バスケットボールが好きです。音楽にも興味があります。)
Also, I often go out to eat and drink with my frind during weekend
(週末は、友達と外食したり飲みにいくことも多いです)
I cant live with out Japanese food.
(私は、日本食がとても好きです)
It's my best time when I drink on my day off.
(休日にお酒を飲むことはとても楽しい時間です)
Likeをいろいろな動詞に変えて表現することで、英語のセンテンスに強弱が出て流暢な英語に近づいたのではないでしょうか?
バスケットボールがとても好きな事と、日本食と週末に飲みにいく事が楽しい時間である事が伝わったでしょうか。
最初は少し難しいですが、一つずつ動詞の類義語を覚えて使える様にできれば、英会話がグングン上達します。
もう一つsay(言う)を例に挙げてみましょう。he said he need medicine(彼は薬が欲しいと言った)の動詞を変えてみましょう
he mentioned he need medicine
he asked
he demanded
he claimed
he insisted......
どれも、”彼が薬を欲しいと言った”と訳せる表現ですが、下に行くに連れて要求の深刻さが伝わります。
askedなのか、Insistedなのかで状況が大きく変わります。もし、早急に薬を持っていかないといけない状況を友達に伝えたい時は、insistedを使うべきでしょう。
go(行く)、listen(聴く)、think(思う)などにも同類語の動詞があり、状況によって使い分ける事で英会話が格段に上達します。
少しずつ使える動詞を増やしていけば、自分の状況や気持ちを上手に伝えられる様になります。
覚えた動詞をドラマで見つける事ができれば、使うタイミングや発音の仕方、センテンスの組み立てがよりスムーズにできるでしょう。動詞を覚えたら、映画やドラマで出てくる場面に注意しながらみましょう。
likeの使い方で英会話上達
最後に追加として"like"のユニークな使い方について紹介します。
アメリカの若者がlikeを頻繁に使いすぎている事が問題になっているのはご存知だろうか?likeって好きって意味じゃないんですか?っと思っていませんか。
実は、『〜のような』と言う意味と『意味のない』likeを使う事がとても多くなっています。使い勝手が多すぎる事で、likeを使いすぎて専門的な単語を使わなくても会話できる事が問題になっている様です。
頻繁に使う事が問題になっているのにオススメなのですか?と思うかもしれませんが、ネイティブでない方には、とても便利な単語です。
さらに多くの若者が日常会話で頻繁に使っているので、ビズネスなど固い会議の場面でなければ、使っても失礼には当たりません。
例えば、友達や知人と食事に行く前に、何を食べたいですか?と聞かれた場合、決まってはいないが肉料理が食べたい時にも使えます。
what do you want to eat?
(何を食べたいですか?)
Something like meat
(肉料理)
ここでのlikeは好きではなく、肉料理のようなを意味します。
もう一つ例をあげます。どの映画を見たい?と聞かれたとしましょう。
スパイ映画で、スリルがあって、恋愛のシーンもあるものが見たいと思ったと仮定してください。
すべてを英語で細かく説明することもできますが、時間がかかるし面倒です。英会話初心者にとっては形容詞を使って、みたいジャンルの映画をうまく説明する事だけでも、既に会話がグチャグチャになってしまうケースもあります。しかし!
I want to watch movie like Mission Impossible
(ミッションインポッシブルのような映画が見たい)
細かく説明することもできますが、likeを使って似た様な映画で描写すれば簡単にすぐ伝わります。このように、専門的な知識や単語がわからなくても、 like ・・・を使って身近なものから例えて簡単に説明できます。
次に『意味のない』likeの使い方を紹介します。メインは、センテンスをつなげる時にlikeを使います。
英会話に慣れていない方によく見られるのが、言葉に詰まる瞬間です。『んーー』と言ったり、『Aaaaaaaand』、『あー』と詰まっているのが、もろにバレてしまっています。
会話も止まってしまっています。そんな時こそ魔法の単語『like』を使うのです!
そんな使い方ができるんですか!?と思った方に簡単な例をあげます。下記のダイアログで解説します。
I want to go vacation for (like) couple weeks
(休暇2.3週間取りたい)
(like) I'm way working too much recently
(最近働きすぎています)
thinking (like) going to somewhere quite to refresh
(どこか静かなところでリフレッシュしたいと思っています)
(like)を入れていますが、実際にそこにlikeがなくてもセンテンスは成り立ちます。逆にlikeがあると文法的におかしくなってしまう場所もあるかもしれませんが、アメリカに住んでいる方はお構いなくみんな日常会話でlikeを連発します。
息継ぎのタイミングや、頭で話すことを整理している時、次の言葉が急に出てこなくなった時などなど、 likeを使ってワンクッション置く事が頻繁にあります。ひどい時は、likeがワンセンテンスの中で3.4個ある時もあります。
これは正直、北米圏で英語を話す人々によく見られる話し方です。イギリスやオーストラリアの方はそこまでlikeを多用しません。
派生英語でスラングなども多いアメリカ文化から生まれた会話の中でのワンクッション要素です。
ビジネスメールや学校のエッセイでlikeを連発するのはよくありませんが、英会話上達のためには必需品です。
like以外でもワンクション、強調で使うフレーズを載せておきます。
.....I mean....
....I'm saying......
....well....
....you know....
上記の4つともに意味はほとんぼありません。ワンクッション入れたい時や、リズムを変えて強調したい時などに使えます。オススメはやはり like、次に I meanとwellをオススメします。
I meanは直訳すれば(私は意味する)になりますが、会話の中で登場しても日本語訳をする必要のないフレーズです。ほとんどlikeと同じでどこでも使えます。無理して訳すならば、(私が言いたいのは....)というニュアンスに近いと思います。like と使い分ける事で I meanの後の文章を強調できます。
wellは上の二つと違い文頭で使う事が多いです。上手・良いを意味する単語ですが、文頭で使う時には、ほとんど意味を持ちません。ワンクションを置いてその後のセンテンスを強調する事ができます。これから大事なことを言いますよーっていう前置きです。これらを理解しておけば、ネイティブが話す英語のリスニング力を上げることも出来ます。
これで今回の動詞のチョイスの大切さとlikeについての紹介を終えます。あくまでも英会話上達のための方法です。
likeの使い方は、公的な文章や、ビジネスの初対面の相手にすぐに使うのは決してお勧めできません。
そのレベルの会話ならばもっと高い英会話を要求されるでしょう。少なくとも動詞のチョイスで場面や状況をリアルに伝える事、自分の気持ちの強調をできる様になる必要があります。
しかし、日常会話や旅行、友達作りの段階では非常に有効な会話言葉です。アメリカの人々はフランクで、打ちとければすぐにラフに話しかけてくれます。ビジネスミーティング後の食事に出かければ、likeが連発で飛び出してくる事間違いありません。
アメリカには、敬語がないと思っている方も多いかもしれませんが、それは大きな間違いです。しっかりとした敬語や正しい話し方、動詞の選び方、相手の呼び方があります。ただ打ち解けるのが早く、日本の様にずっと敬語ではなく最初の会った瞬間だけで英語の教養があるかないかを見定められます。
敬語やスラングについては次回のPart 3で紹介しようと考えているので楽しみにしていてください。英会話で気になる事や、ちょっとした質問などがあれば気軽に聞いてください。
Part2のLikeの使い方や、ワンクッションをおくフレーズはPart2.5のリダクションと繋がっているところも多いので時間がある時にPart2.5も一緒に読んでから英語学習に励んでください。Part2をマスターできれば、英会話のレベルが一段あがります。
英語の発音を上達させるために
part2からは、実際に会話するためのテクニックを紹介しているので、発音が大切になってきます。
英語の発音を上達させるための近道はシャドウイングです。耳で聞いた言葉をもう一度口から真似して発音する事で少しずつ自分の理想の発音に近づけることができます。
アウトプット、アウトプット、アウトプットの連続です。語学を習得するためにはどれだけインプットを繰り返して、頭の中で記憶をしても上達は難しいです。
実際のビジネスの場と同じで、学力も大切ですが、実体験・経験が全てです。英会話もアウトプットを繰り返すたびに上達していくのです。家の風呂場などで発音練習を繰り返してみてください(お風呂は自分の声が響いて聞こえるのでオススメです)。
シャドイングと言われてもどれをお手本にすればいいの?っと思った方。
あなたの好きなドラマや映画の主人公になりきって話してみてください。好きな音楽でもいいです。毎日少しずつ口を動かして鍛えることで、少しずつ発音は上達します。お風呂の間のたった10〜20分の間です。
日本人の方の多くが不得意な発音練習用動画も見つけたので、解説とポイントをまとめたので参考にしてください。