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ジャ・モラント対ドノバン・ミッチェル_クラシックJerseyで白熱

 

ジャ・モラント vs スパイダー・ミッチェル

 

 NBAシーズンは7月末に再開されて盛り上がりを見せています。今回は、新人王候補で、ファンからの人気も高いジャ・モラント選手が所属するメンフィス・グリズリーズの注目試合をピックアップ。

 

グリズリーズは、ウェスタンカンファレンス8位を維持してプレーオフ進出を目指していますが、シーズン再開後3連敗となかなか結果がでていません。さらに、主力で得点源だったジャレン・ジャクソン Jr.選手が怪我をして離脱した状況で、8月6日にウェスタン4位ユタ・ジャズと激突しました。

 

 ジャズはアメリカ代表のポイントガードを務めたドノバン・ミッチェル選手と、インサイドのルディ・ゴベア選手が主力です。スターターには、経験豊富なマイク・コンリー選手や、アウトアイドシュートが武器のジョー・イングルス選手がいてバランスの取れたチームになっています。

 

苦戦が予想されたグリズリーズですが、ビハインドの試合展開を第3Qに追いつき、接戦に持ち込みます。モラント選手の突破力を機転に、ジャズのディフェンスを崩して得点を重ねていました。

 

 主導権を握っていた試合を同点まで追いつかれたジャズは厳しい流れでした。それでもコンリー選手が落ち着いてアウトサイドからオフェンスを組み立て、冷静にグリズリーズの追撃を対応していました。イングルス選手の、ここぞの3Pなど、さすがカンファレンス上位チームだと感じさせられる試合を後半は見せてくれました。

 

追いついても、なかなか主導権を握らせてもらえなかったグリズリーズは、第4Qで失速して、試合終盤でジャズに得点差を広げられて逃げ切られてしまいました。

 グリズリーズ主力スタッツ

・ジャ・モラント選手 20得点、9アシスト、2スティー

・バランチュナス選手 21得点、14リバウンド

ブルックス選手 23得点、1スティー

 

主力のスタッツは高いですが、試合展開はジャズに握られていた印象を受けました。

 

 試合フルハイライト


Utah Jazz vs Memphis Grizzlies Full Game Highlights | August 5 | NBA Restart

 

 ジャズ主力スタッツ

・ドノバン・ミッチェル選手 18得点、6アシスト

・ジョー・イングルス選手 25得点、5アシスト

・マイク・コンリー選手 23得点、7アシスト

・ルディ・ゴベア選手 21得点、16リバウンド、3リバウンド

 

今後の両チーム

 

 ジャズはスタートの4名が20得点を超える活躍で、チーム合計25アシスト。チームオフェンスで、グリズリーズに的を絞らせない攻めができていました。コンスタントに高いパフォーマンスができる選手が揃っていて、プレーオフでも勝ち上がる事ができるチームだと感じさせてくれました。

 

シーズン中にアウトサイドのオフェンスで試合平均20得点以上あげていた、ボグダノビッチ選手が怪我で離脱した事が懸念されていましたが、ベテランのコンリー選手がうまく得点でも存在感を見せているので問題はなさそうです。あとは、プレーオフで、ウェスタンの上位チーム、レイカーズクリッパーズと戦った時のディフェンスで、相手をどこまで苦しめれるかが勝利の鍵になりそうです。

 

 対するグリズリーズは、この試合で4連敗になってしまいました。8試合の内残す4試合の組み合わせも、サンダー、ラプターズセルティックス、バックスと続き、上位との対決で白星を増やすためには厳しい試合が続きます。

 

9位のトレイルブレイザーズが好調で2勝1敗と勝率を伸ばしているので、下位からの追撃にも注意が必要になります。プレーオフに進出するための8位の椅子を狙って激しい戦いが予想されます。

 

クラシックユニフォーム対決

 

 今回のジャズvsグリズリーズは両チームともクラシックユニフォームで戦いました。両チームともに、人気の高い昔のユニフォームを着ての試合だったのでファンにとっても見応えのある試合になったはずです。

 

両チームとも、今回のユニフォームは殿堂入りジャージでファンを楽しませてくれました。最近のNBAでは、プレーだけでなく昔のユニフォームやバッシュを着て選手達がプレーする事や、ファッションで社会問題に対する意見を表すことも増えています。

 

選手達が身につけているアイテムや、シューズのオリジナルデザインに注目して試合を見ることも面白いと思います。

 

ますます進化するNBAのエンターティメント性からは目が離せません。日本のB Leagueも新しい試みに挑戦する必要があるように感じます。

 

次世代の能力型ポイントガード

 

 モラント選手とミッチェル選手の対決は近代のバスケットボールを象徴するものになりました。ミッチェル選手はシューティングガードとして出場していましたが、本来はポイントガードもできる選手です。

 

90年代、2000年代前半のバスケットボールでは、ポイントガードは主にゲームメイクをするポジション。パスやフロアバランスを考えて味方を活かすプレーが求められていました。ジェイソン・キッド選手、トニー・パーカー選手、スティーブ・ナッシュ選手が有能でバスケIQの高い選手として高い評価を得てました。

 

しかし、近年のバスケットボールではポイントガードに突破力を求められる事が多くなっています。オフェンスを組み立てるだけではなく、自らディフェンスを崩してからオープンな味方選手にアシスト、もしくは自分で得点を取りにいく事が必要とされるようになっています。デリック・ローズ選手が起こした新しいポイントガードのあり方の流れですカイリー・アービング選手、ジョン・ウォール選手、ケンバ・ウォーカー選手などが同じタイプに挙げられます。

 

 インサイドやゴール付近の得点だけではなく、アウトサイドからのオフェンスオプションが重要視されている現代のバスケットボールでは、フロアバランスを考えるだけはなく、個人の能力でディフェンスを崩せる司令塔が必要とされていると言えます。

 

この試合でも、モラント選手が1on1や2on2のピックアンドロールから自分でペイントエリアにドライブしてからセンターに合わせるプレーが多かったです。対するジャズのミッチェル選手は、アウトサイドに得点力が高い選手が集まっているため、ドライブでディフェンスを寄せてからキックアウトパスでノーマークの3Pシュートを演出する場面が多く見られました。

 

日本のバスケット界でも突破力の高いポイントガードの育成が今後必要になってくるでしょう。FIBAアメリカ代表と対峙した時も、アウトサイドから相手のディフェンスを崩してフリーでシュートにいけるシーンが少なく、厳しい体勢でシュートを打たされている印象が強かっただけに。